
カラメルソースは砂糖を熱して作ります。
砂糖はカラメル化(糖類を高温で加熱したときに生じる褐色物質)させることにより何ともたまらない苦味と香りが生じます。カスタードプリンやタルトタタン風のケーキにはカラメルソースが欠かせません。ソースとしての他には料理の隠し味として利用されることもあります。
カラメルソースの作り方はシンプルですが、ちょっとしたコツがあることも事実です。
今回の記事は次のような人におすすめ!
- カラメルソース作りに失敗してしまう(茶色くならない)。
- 温度の上昇により砂糖はどのように変化するのか?
- どうしても白く濁ってしまう。
カラメルソースは砂糖をカラメル化させて作ります。
カラメル化とは糖類を高温に熱して褐色物質を生成させることであり、カラメル化により糖に独特の苦みや香りが生じます。カラメル化には高温(約150℃以上)に加熱する必要がありますので、慣れていないと失敗してしまうこともあります。
また加熱中に攪拌してしまうと再結晶化によりカラメル化しにくくなりますので、白く濁ってしまった場合には水分を加えて結晶化してしまった砂糖を溶かしてからやり直す必要があります。
カラメル化の条件とは?
カラメルソースは砂糖を150℃以上に熱して作ります。
砂糖に少量の水(水が多すぎると温度の上昇に時間がかかります)を加えて加熱すると、約145℃でほのかに色づきはじめ、約160℃から本格的に色づきはじめます。さらに過熱を続けると約170℃で香ばしい香り、180℃以上で煙を出しながら黒褐色へと変化していきます。
以下はシロップの状態と色の変化です。
一般的なカラメルソースは170~190℃まで加熱されます。
しかし130℃以上に加熱された砂糖(水分量5%以下)を冷却するとガラス状態(アモルファス)になりますのでカラメルソースが固まらないようにするためにも水分を加えてのばしておく必要があります。
カラメルソースの仕上げに水分を加えるのはこのためです。
カラメル化は糖類を高温に熱することで(複雑な結合や分解を繰り返すことで)独特の苦味や香りが生成される反応です。メイラード反応と混同されることがありますが、アミノ酸が関係していない点が異なります。
熱しても茶色くならない理由は?
茶色くならない原因は加熱不足です。
砂糖は約145℃から色づきはじめて160℃を超えると本格的なカラメル化(独特な芳香を有する褐色物質の生成)がはじまります。そのために一般的なカラメルソースは170~190℃(水分量2%以下)まで加熱されることになります。
ポイントとなるのが水分量です。
カラメル化は約160℃以上で起こる現象ですが、砂糖(シロップ)が160℃以上になるためには水分量が2%以下になっている必要があります。そのため、はじめに加える水分量が多すぎると色づきはじめるまでに時間がかかることになります。
160℃以下で加熱をやめてしまうと茶色くなりません。
白く再結晶化してしまう原因は?
砂糖は再結晶化によりカラメル化しなくなります。
砂糖に少量の水を加えて加熱をすると約160℃ほどで本格的なカラメル化がはじまります。しかしカラメル化がはじまる前に激しく攪拌してしまうと砂糖が再結晶化してしまうために(温度が上がりにくくなり)カラメル化が起こらなくなります。
そのためカラメルソースは鍋を揺らすようにして作られます。
再結晶化してしまったシロップはカラメルソースとしては失敗ですので、はじめからやり直さなければいけません。再結晶化してしまったシロップに水分を加え、結晶化してしまった砂糖を完全に溶かしてから再加熱をします。
110~120℃が再結晶しやすい温度帯ですので、ヘラを使わずに鍋を揺らしながら温度を上げていくことがポイントになります。
まとめ・カラメルソースが茶色くならない?
カラメル化には熱が必要です。
カラメルソースを作るためには砂糖を160℃以上(水分量2%以下)まで熱する必要があります。それ以前に熱するのを止めてしまうとカラメル化することなく透明なシロップや飴のような状態になってしまいます。また、かき混ぜすぎて結晶化してしまうと加熱を続けてもカラメル化しなくなります。
温度と砂糖の扱いには注意が必要です。