
ハーブには適切な剪定が必要です。
ハーブに明確な定義は存在しませんが、ここでは料理の香り付けや保存性を高めるために利用される植物全般をハーブ(またはスパイス)としています。一般的に、主に葉、茎、花などを利用するものがハーブとし、種子、根、樹皮、果実などを利用するものがスパイスと区分されています。
いずれの植物も剪定なしには安定した品質や収量は望めません。
今回の記事は次のような人におすすめ!
- ハーブの収穫方法を知りたい
- ハーブがすぐに種を持って枯れてしまう
- ハーブの香りが悪い(野性味が強すぎる)
基本の剪定方法には大きく2種類あります。
それが不要な枝をつけ根から間引く剪定(すかし剪定)と、枝の途中から切ることで長さを調節する剪定(切り戻し剪定)です。すかし剪定で風通しや日当たりを良くし、切り戻し剪定で樹形を整えるように剪定していきます。切り戻し剪定はピンチや切り返しとも呼ばれます。
またインテリアなどに利用する場合には切り戻し剪定の応用でもある「刈り込み剪定(表面全体を均一にそろえて切る剪定)」が用いられることもあります。
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ハーブを剪定する目的は?
ハーブには剪定が不可欠です。
たとえば木本(樹木)であるローズマリーの剪定をしないと内部の木質化が進むことにより収量が激減することになりますし、草本(草花)であるバジルの剪定をしないと花を咲かせることにより品質が著しく低下することになります。
樹形や樹勢(または草勢)の管理にも役立ちます。
- 風通しを良くして病害虫を防ぐ
- 切り戻しにより枝数を増やす
- 樹形を整えて品質と収量を安定させる
特に木本(樹木)のハーブには注意が必要です。
ハーブというと一年草や多年草の草本をイメージされることが多いかと思いますが、ホームセンターなどで気軽に購入することのできるローズマリー、コモンタイム、コモンセージ、ラベンダーなどは木本に分類されている植物です。当然、オリーブやゲッケイジュ(ローリエ)などは木本です。
剪定をしなければ樹形が乱れて管理が難しくなりますし、オリーブやゲッケイジュなどは大きくなりすぎて持て余すことになります。また若葉は香りが良いハーブであっても古葉になると野性味が強すぎて扱いにくくなることもあります。
新しい枝葉を増やすためにも剪定は必要です。
剪定方法の使い分けは?
剪定方法は大きく2種類です。
枝のつけ根から切ることにより風通しを良くするのがすかし剪定、枝の途中から切ることにより高さを抑えつつ新しい枝葉を増やすのが切り詰め剪定(ピンチ)です。全体の樹形や風通しや日の入り加減などを考慮しつつ剪定していきます。
ハーブの収穫は剪定の一環でもあります。
- すかし剪定:枝のつけ根から切る剪定方法
- 切り戻し剪定:枝の途中から切る剪定方法
主幹、主枝、側枝をイメージするのがポイントです。
挿し木で増やした木本(ローズマリーやゲッケイジュなど)を例にします。挿し木で増やした木本の多くは主幹だけの状態です。そのまま育てたのでは主幹の1本だけが伸びていきますので、適当な位置でピンチ(切り戻し剪定)をして枝分かれを促します。
主枝を作るということです。
主枝を2本残せば2本仕立て、3本残せば3本仕立てになります。この骨格さえできてしまえば、あとは主枝と側枝の切り戻し剪定、側枝のすかし剪定により樹形を整えていく(維持していく)ように手入れをします。樹種や仕立て方によっては亜主枝を作ることもあります。
刈り込み剪定(表面全体を均一にそろえて切る剪定)に関しては、風通しが悪く内側が枯れこむようになることからも積極的にはおすすめしません。
まとめ・ハーブの剪定方法は?
剪定には2種類の方法があります。
それがつけ根から切ることで枝を間引く剪定(すかし剪定)と、枝の途中から切ることで長さを調節する剪定(切り戻し剪定)です。切り戻し剪定はピンチとも呼ばれます。ハーブの剪定や収穫はこれらの剪定方法を基本として行います。
これは多くの植物に応用できる剪定方法です。