放置したぬか床にはカビが生えてしまうことがあります。
ぬか床には米ぬか由来の栄養素が豊富に含まれています。長期間、ぬか床の手入れを怠ってしまうと「カビの胞子が着床する→コロニーを形成して増殖する→胞子を飛ばして拡散する」といったサイクルがまわってしまうことがあります。
多くのカビには毒性がありますので注意が必要です。
今回の記事は次のような人におすすめ!
- 放置してしまったぬか床を復活させたい。
- カビと産膜酵母の見分け方とは?
- カビの生えてしまったぬか床の対処方法は?
ぬか床のカビはていねいに取り除きます。
表面を厚めに取り除いて内部が腐っていなければ再生させることができます。しかし厚めに取り除いても内部のぬか床に粘りや(酪酸など以外の)異臭がある場合にはあきらめて新しく作り直すことをおすすめします。
また産膜酵母である場合には軽度であれば混ぜ込んでしまっても問題はありません。
ぬか床のカビ画像について
コロニーを形成するのがカビです。
カビはコロニーを形成して増えていきます。ぬか床の表面や容器の側面に着床したカビの胞子は植物のように発芽をしてコロニーを形成しながら増殖していきます。菌糸が十分に伸びて成熟すると胞子を拡散させて再び発芽と成長を繰り返します。
「着床→増殖→拡散」というのがカビのライフサイクルです。
ぬか床に生じる可能性のあるカビには多くの種類がありますので、毒性の有無を断定することはできません。このことからもカビ(コロニーを形成している微生物)を確認しましたらぬか床表面を厚めに取り除いておくことがポイントになります。
ぬか床を使えるかどうかは内部の状態によります。
産膜酵母との見分け方は?
ぬか床の表面は日々変化していきます。
たとえば産膜酵母が発生すれば「表面に白い膜が張る」ようになりますし、カビが発生すれば「点々としたコロニーができる」ようになります。また鉄玉子などを加えられているぬか床は酸化による黒色化が起こりやすくなります。
はじめに注意すべきは産膜酵母とカビの見分け方です。
- カビ(アオカビやコウジカビなど):2~10μm
- 酵母:約5μm
- 細菌(乳酸菌や酢酸菌など):0.5~1μm
カビは比較的大きな微生物です。
また菌糸の伸びた状態になると「ふわふわとした外観」を目視でも確認できるようになりますので産膜酵母との違いは一目瞭然です。基本的には「カビ:ふわふわしたコロニーをつくる」「産膜酵母:べったりと全体に広がる」と覚えておけば間違いはありません。
悩んだ場合には取り除いておくことをおすすめします。
カビの対処法は?
カビはていねいに取り除きます。
まずは表面を厚めに取り除いて内部の様子を確認します。内部が腐っていなければ足しぬかや捨て漬けなどを繰り返すことで状態をよくしていきます。しかし内部に粘りや悪臭がある場合には状態が良くありませんので新しく作り直すことをおすすめします。
必ずしも熟成期間の長いぬか床が美味しいとは限りません。
ぬか床は管理期間によって味が複雑になっていきます。これはゆっくりしか増えることのできない微生物がぬか床の味に影響を与えているためです。しかし数十年管理されているぬか床よりも数ヵ月しか管理していないぬか床の方が美味しく漬かることもあります。
状態の悪いぬか床を再生させるには想像以上の時間がかかります。
まとめ・ぬか床のカビ画像は?
ぬか床には米ぬかや野菜の栄養素が豊富に含まれています。
そのためぬか床を放置してしまうと様々な微生物が増えていきます。その中には乳酸菌や酵母などのような有益な微生物もいますが、腐敗菌やカビなどといった有害な微生物が増えてしまうこともあります。
カビには「コロニーを形成して増えていく」という特徴がありますのでカビのコロニーを発見した場合には「ぬか床の表面を厚めに取り除く」などの処置が必要になります。