
ネギ属はコンパニオンプランツとして重宝されます。
混植(同じ場所に異なる植物を複数植える栽培方法)をして相性の良い植物同士のことをコンパニオンプランツと言います。コンパニオンプランツには「病気予防」「害虫忌避」「生育促進」「空間の有効活用」などのメリットがあります。
ネギは病気予防と害虫忌避に効果的な植物です。
今回の記事は次のような人におすすめ!
- コンパニオンプランツを取り入れたい
- 農薬に頼らずに病害虫を減らしたい
- ニラとネギの使い分けとは?
ネギ属の混植には病気予防と害虫忌避の効果があります。
ネギ属の根の表面には抗生物質を分泌する細菌が共生しています。そのため混植することにより「トマトの萎ちょう病」「ナスの半枯病」「ピーマンの疫病」「キュウリのつる割病」「カボチャの立枯病」などの土壌障害が起こりにくくなります。
また地上部では香りにより特定の害虫を退けます。
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ネギ属を混植する効果について
ネギ属を混植するメリットは大きく3点です。
ネギ属には「根の表面に共生している細菌(拮抗菌)が一種の抗生物質を生成するために土壌障害が起こりにくくなる」「香りには害虫を忌避する効果がある」「アンモニア態窒素を好んで吸収するため硝酸態窒素(アンモニア態窒素がさらに分解された状態)を好む植物との相性が良い」などの特徴があります。
ネギ属は汎用性の高いコンパニオンプランツです。
- 土壌障害が起こりにくくなる
- 特定の害虫への忌避効果がある
- 硝酸態窒素を好む植物との相性が良い
ホウレンソウなどはネギとの混植により美味しく育ちます。
ホウレンソウの苦味やエグ味が強くなるのは肥料過多によるものですが、ネギ類を混植することにより過剰な養分を吸収してくれるために美味しく育ちます。ネギ類はアンモニア態窒素を好み、ホウレンソウなどは硝酸態窒素(アンモニア態窒素がさらに分解された状態)を好むために極端な養分の奪い合いにもなりません。
ホウレンソウの他にはカブ、チンゲンサイ、コマツナなどにも効果的です。
ニラとネギの使い分けについて
植物の根は大きく4タイプに分けられます。
主根深根タイプ、主根浅根タイプ、ひげ根深根タイプ、ひげ根浅根タイプの4タイプです。ニラは深根タイプでネギは浅根タイプですので、トマト、ナスなどの深根タイプの野菜には同じ深根タイプのニラがおすすめであり、キュウリ、カボチャなどの浅根タイプの野菜には同じ浅根タイプのネギがおすすめです。
同じ根域に根を広げることにより効果が大きくなります。
- 主根深根タイプ:トマト、ナス、オクラなど
- 主根浅根タイプ:キュウリ、カボチャ、ピーマンなど
- ひげ根深根タイプ:トウモロコシ、イネ科など
- ひげ根浅根タイプ:ジャガイモ、イチゴ、ネギ、タマネギなど
ネギは長ネギと葉ネギのどちらでも大丈夫です。
長ネギには「根に触れるように深く植え付けやすい」というメリットがあり、葉ネギには「分けつしやすい」というメリットがあります。個人的には葉ネギ(九条ネギなど)が扱いやすいように感じていますが、どちらでも問題はありません。
またワケギやアサツキで代用することも可能です。
おすすめの混植方法について
ネギ属の混植にはコツがあります。
トマトやナスの場合には「ニラの根が根鉢に触れるように左右において植え付ける」ことがポイントであり、キュウリやカボチャの場合は「ネギ(葉ネギまたは長ネギ)の根が根鉢に触れるように左右において植え付ける」ことがポイントになります。
ホウレンソウ、カブ、チンゲンサイなどの場合には「条まきにしたホウレンソウなどに対して、葉ネギを条間15cmの位置に株間15cmで植え付ける」などのようにします。
- トマトやナスなど:ニラの根が触れるように定植する
- キュウリやカボチャなど:ネギ(長ネギや葉ネギなど)の根が触れるように定植する
- ホウレンソウやコマツナなど:葉ネギを成長により根が触れ合う位置に植え付ける
一部の害虫はネギの香りが苦手です。
混植しているニラやネギは収穫して食べることも可能ですが、害虫による食害が気になる場合には刈り取って畝の上に敷くことにより忌避効果が高くなります。特にキュウリに付くウリハムシ対策などにはおすすめの方法です。
害虫は切り口の液体に含まれているにおい成分を嫌います。
まとめ・ニラやネギを混植するメリットとは?
ネギ属は多くの野菜に対してのコンパニオンプランツになります。
ネギ属の根の表面には抗生物質を分泌する細菌が共生しており、混植することにより「トマトの萎ちょう病」「ナスの半枯病」「ピーマンの疫病」「キュウリのつる割病」「カボチャの立枯病」などの土壌障害が起こりにくくなります。
またネギの香りにはウリハムシなどへの忌避効果があります。